St. George’s Park ~England National Football Centre~

今回は、イングランドのNational Football Centre(ナショナルフットボールセンター)である、St.George’s Parkのピッチや施設について紹介します。

St.George’s Park(セント・ジョージズ・パーク)

まずは簡単にSt.George’s Park(セントジョージズパーク)について

『設立』:2012年

『総工費』:£105m(約157億5000万円)

『総面積』:330-acres(約1.33546㎢)
東京ドーム 28個分 東京ディズニーランド 2.9個分の広さです。

『グラウンド』:屋外には13(ウェンブリーのレプリカピッチ含む)のピッチがあり、屋内には、フルサイズの3Gピッチが1面とフットサルアリーナもあります。

国内28のチームや団体が使うだけでなく、UEFAやFIFAの大会にも使用されます。
他にもイベント会場やプールやアスレチックトレーニングなども設けられています。

どれだけの規模かは、こちらの「360 Virtual Tour」でお楽しみください!

とにかく広大です!!!!

各ピッチにはそれぞれ名前が付けられています。

ピッチの名称

気合を入れて全ピッチを周ってきましたので、有名どころを紹介します。

【SIR BOBBY CHARLTON PITCH】(ボビー・チャールトン)

まずは、【SIR BOBBY CHARLTON PITCH】(ボビー・チャールトン)↓

こちらのピッチは、なんとウェンブリースタジアムのレプリカピッチとなっています。
あのサッカーの聖地、ウェンブリースタジアムと同じ芝生が用意されているため、本番と同じ環境下でトレーニングをする事ができます。

こちらは、【PETER SHILTON GK AREA】(ピーター・シルトン)↓

ゴールキーパー専用のエリアになっています。

※PETER SHILTON(ピーター・シルトン):イングランドの正ゴールキーパーとして3度のW杯に出場し、ワールドカップ歴代最多タイの10完封を記録
1986年のW杯メキシコ大会では、アルゼンチンのマラドーナに「5人抜き」と「神の手」のゴールを決められたキーパーです。

代表キャップ125試合を記録し、併設するヒルトンホテル内の「ENGLAND CAP WALL」にも名前が刻まれています。

こちらは、【Hilton Hotel】(ヒルトンホテル)です↓

あまりにも広く、メインの建物から離れるため、このような【更衣室や待合室】がいくつか用意されています↓

【DAVID BECKHAM PITCH】(デビッド・ベッカム)

そしてこちらが、【DAVID BECKHAM PITCH】(デビッド・ベッカム)↓

ホテルや室内ピッチとは反対側に位置しますが、どうしても見たくてここまで来ました。
ベッカム人気は凄く、ここまで写真を撮りに来る観光客もいるみたいです。

こちらは、UEFAとFIFAの【記念碑】と【Arthur Wharton像】↓

ここまで写真を撮りに来る人はさすがにいないと思います(笑)

しかしここのベンチからの景色はなかなか美しいものでした。

Arthur Wharton(アーサー・ウォートン):世界で最初の黒人プロフットボーラー

次はいよいよ屋内施設です。

【SIR ALF RAMSEY INDOOR 3G PITCH】(サー・アルフ・ラムジー)

【SIR ALF RAMSEY INDOOR 3G PITCH】(サー・アルフ・ラムジー)↓

※Sir Alfred Ramsey (サー・アルフレッド・ラムジー):1966年のW杯イングランド大会で初優勝に導いた監督

なんと奇跡的にFA PEOPLE’S CUPの決勝戦が行われており、間近で本物のFA CUPのトロフィーを見る事ができました!しかも3つまとめて!

ウェンブリースタジアムツアーでさえレプリカのトロフィーだったのに、、(笑)

本物の輝きは格段と違っており、ピッカピカに輝いていました。

【FUTSAL ARENA】(フットサルアリーナ)

3G Pitchの反対側には【FUTSAL ARENA】(フットサルアリーナ)があります↓

ここはフットサルだけでなく、屋内のイベント会場としても使用されるそうです。

もっともっと細かいところまで施設の紹介をしたいのですが、本当に多すぎて紹介しきれないのでこのへんまでにしておきます。

最後に

これだけ広大な土地を要するには、建設場所はやはり郊外でなくては難しく、莫大な予算を投資して造られた訳ですが、計画的な収益モデルが確立されています。

イングランド代表の練習やプロクラブの大会として使用するだけでなく、障がい者サッカーや少年・シニア・女子サッカーの使用はもちろんの事、UEFAやFIFA等の海外のコンペティション会場としても使用されます。

また、指導者を育成する場所としても注目されており、空き日程には、イングランドのFAライセンスの講習会場としても使われます。

ホームページでは、チーム合宿や練習試合を組めるようにグループブッキングが用意され、サッカー初心者から経験者までの個人レッスンの予約もできます。

まだまだあります。
スポンサーやパートナー企業のイベントやパーティー会場として併設するヒルトンホテルはカンファレンスルームを提供し、これは一般企業も利用する事が可能となっています。

さらにはサッカーが好きな観光客のために、St.George’s Park Tourまでもが用意されています。

極めつけに、サッカーを全く知らない方でもこの地を訪れてもらえるように、ヒルトンホテルからは、クリスマスや新年などのパーティーコースや記念日のディナーコース、アフタヌーンティーコースなど、各種パッケージプランが用意されています。

訪れる全ての方に最高のおもてなしを提供しているのです。
そのため、行事の日だけでなくても、半年以上も前からすでに満席となっています。

個人個人が、その人にとって大事な日を過ごす、大切な空間がここにあるんだと思います。
筆者自身もすっかり虜になってしまいました。

こうした一連の取り組み、組織体制、ブランディングにより、サッカーに一切かかわらない方々も自然とこの施設を知る事になります。

「時間」、「人」、「施設」が絶妙に連携されており、常に回転するようになっております。

少し話がそれますが、日本のサッカー施設や学校施設はどちらかと言うと内向きなため、施設開放をする文化が薄いように感じています。

海外では空き(余ったリソース)は基本的に少なくするため、外向きな印象を受けます。
トップレベルが使える施設を一般に開放する(共有する)のは当たり前の文化です。

イギリスの全寮制の学校では、長期休暇の際はグラウンドなどの学校施設だけでなく、寝床でさえ宿泊施設として貸し出します。

基本的にこのような施設を使ってサマー(トレーニング)キャンプが行われます。

そしてSt.Geoege’s Parkが凄いところは、実際に結果を出しているところです。
ここがとても重要なのです。
運営や経営が素晴らしいのも大事ですが、一番の目的であるイングランド代表のレベルアップに確実に影響を与えており、この施設ができて以降、ユース世代はすべてのワールドカップで優勝し、女子サッカーも現在FIFAランキング3位と猛スピードで成長を遂げています。

そしてご存知の通り、2018年の男子W杯ではベスト4、2021年のユーロでは決勝まで進出する事ができました。
だからこそ結果として、常に人が集まり、まわっていくのだと思います。

これほどまでに顕著に結果が出るのも珍しいですが、イングランドが一大プロジェクトとして立ち上げた、この『St. George’s Park National Football Centre』に皆さんもぜひ一度足を運んで頂けたらと思います。


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