2024年4月にオーストラリアU12の3選手が日本にサッカー留学に来られ、通訳として帯同しました。
1週間の滞在の中、平日の5日間は午前と午後の2部練習を基本に、横浜FCと横浜F・マリノスの練習に参加をし、さらに週末はJリーグの試合を観戦されました。
オーストラリアのクラブの日本ツアーを企画されたのは、株式会社ラフレサの金子さんです。
株式会社ラフレサ:HP
金子さん:X (twitter)
Contents
横浜FC
コーチによるプライベートレッスン
平日の朝3日間は横浜FCのコーチによるプライベートレッスンを受けました。
選手3人に対してコーチ2人体制という贅沢なレッスンでした。
1名は固定で1名は毎日新しいコーチでしたが、皆さんそれぞれのアイスブレイク方法をお持ちで、すぐに選手と仲良くなり、オーストラリアの子供たちも毎日楽しく真剣に練習に取り組むことができました。
パスやドリブルなど毎回練習の内容も変えていただきましたが、どのトレーニングにおいても「常に複数のオプションを持つ」という意図があり、それぞれのトレーニングは密接に繋がっていて、オーストラリア側のコーチも感銘を受けていました。
「常に複数のオプションを持つ」、このキーワードを何度も何度も伝えられ、わずか3日間のトレーニングでしたが選手たちの頭と体に染み込ませていました。
練習後、強度が足りないと感じた時は子供たち自らスプリントをしていました。
昨年にチーム遠征で来日した際、試合の後半で失速してしまう経験をしたことで、自ら練習後にスプリントをしているそうです。
誰かに言われて走るのではなく自分たちに足りないものを肌で感じ、それを日々のトレーニングで改善しようとする姿勢にこちらも感銘を受けました。
ニッパツ横浜FCシーガルズ
毎朝のプライベートレッスンの前に、なでしこ1部のニッパツ横浜FCシーガルズの練習が行われていましたが、彼女らのシュート練習などもずっと見て勉強していたのも印象的でした。
最終日の横浜FCのU12の練習参加の際にも女子選手がコーチとしてゲームに参加しましたが、そのプレーのレベルの高さにも一同驚愕していました。
横浜FC U12練習参加
最終日の夕方はU12の練習にも参加させていただきました。
ポゼッションとトランジションの練習では日本の子供たちの上手さが際立っていましたが、オーストラリアの3選手もフィジカルとテクニックをうまく活かしながらプレーできていました。
はじめは日本の子供たちも少し遠慮がちでしたが、慣れてくると打ち解け始め、ゲームの時には自分のポジションを譲ったり英語で説明しようとしたりと思いやりのある子が多かったです。
最後はみんなで記念撮影をして横浜FCの練習参加を終えました。
横浜F・マリノス
トリコロールパーク新吉田
トリコロール新吉田には平日の夜に3回お世話になりました。
毎日違うコーチと選手に混ざりながら練習に参加させてもらいました。
新しいトレーニングを外国語で学ぶのは子供たちにはとても難しいことですが、デモンストレーションを交えながら教えていただいたので素早く理解することができました。
毎日違う練習内容だったので頭はフル回転でしたが、常に新鮮な気持ちで練習に励むことができました。
オーストラリアの3選手の方が体格では勝りましたが、日本の選手の技術力とアジリティに手こずる場面も多かったです。
オーストラリア側は日本人の技術と判断スピードに驚いていました。
シュンスケパーク(Shunsuke Park)
1日だけ別会場のShunsuke Parkのスクールに参加しました。
インターナショナルな子供たちが多くて自ら通訳を手伝ってくれる子もいました。
全トレーニングを通して唯一ディフェンスにフォーカスした練習メニューでした。
抜かれることを気にしたり、味方の戻りを待つためにディレイを優先するのではなく、とにかく素早く相手に詰め寄り、勝負してボールを取りに行くという姿勢はオーストラリアサッカーにはないそうです。
日本も昔は「遅らせろ」という指示が多かったですが、欧州の守備意識が浸透されてきています。
中村俊輔
オーストラリアのコーチ陣に中村俊輔の説明をすると、セルティック時代にチャンピオンズリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦で決めた伝説のFKを覚えており、良い反応を見せてくれました。しかも驚くことに子供たちも知っていました。
まだ生まれてもいなかった世代の子供たちに、しかも日本でもイギリスでもなく遠く離れたオーストラリアでも知られている。中村俊輔は間違いなく世界で語り継がれるレフティです。
最終日の最後の練習はまたトリコロールパーク新吉田に戻り、練習参加をしました。
最終日の子供たちは一つ二つ学年が下の強化クラスでしたが、オーストラリアの子供たちのフィジカルとスピードにも負けず、卓越した技術と動き出しで翻弄する場面も見えました。
弊社でサポートしているサマーキャンプに参加する子供たちもそうですが、年齢が低い方がガンガン話かけていき、すぐに仲良くなる傾向があります。
練習後も握手したりバイバイを言いに来たりとコミュニケーションの高さが見えました。
最後はマリノスの壁の前で写真撮影をして会場を後にしました。
練習視察とJリーグ観戦
横浜FCと横浜F・マリノスのU12練習見学
コーチ陣からU12の一番上のレベルを見てみたいということで、日産スタジアムの横の「しんよこフットボールパーク」で行われているトレーニングの見学にもお連れしました。
私も知らなかったのですが、横浜のライバル同士のアカデミー選手がすぐ隣のピッチで練習していているのに少し違和感を感じました。
見る側としてはまとめて見れるので良いですが、プレミアリーグのアカデミーとかではあり得ないので、良くも悪くも少しオープン過ぎるような気もしました。
コーチも私もリヴァプールサポーターでリヴァプールのロゴ入りの服装で見に行ったため、スカウトと間違えられたかもしれません。(笑)
いかにもそれっぽい雰囲気が出ていたので、もし勘違いされていたら申し訳ございません。(笑)
川崎フロンターレ vs 東京ヴェルディ
土曜日にはJ1の川崎フロンターレと東京ヴェルディの新旧川崎ダービーを観戦されました。
私は帯同しませんでしたが、トップリーグの雰囲気とレベルの高さを知れたと連絡をもらいました。ただ、スコアレスドローだったのでそこは物足りなかったみたいです。
最後に
ここまでまじめな海外選手はなかなか見たことがなかったのでとても新鮮でした。
コーチの話を一語一句逃すまいと真剣に目を見て話しを聞き、理解できなかった部分は改めて何度も聞いてきて、今回の日本サッカー留学に対する本気度を強く感じました。
私が選手としてサッカー留学をしていた時も、現在サッカー留学エージェントして海外選手を見ている時もそうですが、海外選手は日本人ほどまじめではないことが多いので、新たな発見でした。
10歳、11歳だとふざけてしまう子供たちも多く、海外遠征ともなると遊びたくて仕方がないはずですが、サッカーのトレーニングで良いパフォーマンスを発揮できることを常に意識して生活していました。
コーチとお父さんの影響が大きいと思います。
練習中やその前後に叱咤激励したり多くの情報を詰め込むこともなく、いたって自然体で自分たちも学ぶという姿勢が印象的でした。
子供たちはこういう大人の背中を見ているので、吸収力高く学べるのだと思います。
フィジカルで勝る海外選手が、このように日本に来て日本の強みを学び、ハードワークや技術を習得していくことは嬉しい反面、脅威でもあります。
アジアカップの結果を見ても分かるように、日本も今後はまたアジアでさえ非常に苦戦するのではないかと危機感を覚えました。
現時点での世界との差を知る為にも若いうちからどんどん海外に出て行って欲しいです。
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