オランダ女子エールディヴィジの名門クラブを救った園田悠奈選手の軌跡 ~ホームデビュー戦と日本人対決~

前回は園田選手のADO デン・ハーグ加入からエールディヴィジ デビュー戦までを紹介しましたが、今回はホームデビュー戦の強豪アヤックスとの試合と日本人対決となったフェイエノールト戦を紹介します。

海外移籍を考えてる方、エージェント契約を考えてる方、オランダサッカーや女子サッカーに興味がある方、そして日本で応援し続けてくれていた園田悠奈選手のサポーターの方々に知ってもらえればと思います。

ホームデビュー戦  (ADO デン・ハーグ vs アヤックス)

悔しい敗戦となった女子エールディヴィジデビューの1週間後にはアヤックスとのホームデビュー戦がありました。アヤックスは言わずと知れた強豪チームで直近10年はアヤックス女子とトゥウェンテ女子の2チームのみが女子エールディヴィジを優勝しています。

この試合が行われた時点でアヤックスは首位、ADO デン・ハーグは最下位と厳しい試合展開が予想されました。

ウォームアップ~選手入場

移籍後2試合目となるこの試合では堂々の先発出場に名を連ねました。

ADO・デン・ハーグでは女子の試合も全て男子と同じスタジアムで開催されます。

エスコードキッズよりも小さい園田選手(背番号7)。外国人選手がどれだけ大きいかが一目で分かります。海外でプレーするにはこの体格差を克服しなければなりません。
実際にチーム加入前の検討段階でもオランダのフィジカルに対応できるかを不安視する声もあがっていました。
しかしこの大事な一戦で一番輝いたのは園田選手でした。世界一身長が高いオランダ選手を相手に次々に翻弄するプレーを見せていきます。

マッチアップはオランダのレジェンド スピッツェ

この試合のマッチアップはオランダ代表で248試合の出場記録を持つオランダのレジェンド、シェリダ・スピッツェでした。この248キャップはオランダ人選手だけでなく欧州人選手として史上最多の出場記録です。所属クラブでも数々のタイトルを獲得し、2017ユーロ女子ではオランダ代表キャプテンとして初のタイトルをもたらしました。

スピッツェにボールを渡して組み立てたいアヤックスでしたが、園田選手のマークに苦戦します。しかし各ポジションに良い選手を配置するアヤックスはサイドから崩しにかかります。なんとか決定機を防いでいましたが、前半14分に失点をしてしまいます。

首位相手に早々の失点を喫しましたが、園田選手を起点にアヤックスゴールに迫ります。決定を3,4つつくりましたが味方のシュートミスによりゴールが遠いADO・デン・ハーグ。前半の内に2点目を許してハーフタイムを迎えました。

後半開始には園田選手が個人技から決定機を演出しますがこれも決め切れず。1点が入れば一気に流れも傾く状況でしたが、アヤックスがスーパーロングシュートを突き刺して万事休す。首位チーム相手に善戦しましたが決めるところをしっかりと決めるアヤックスの勝負強さを見せつけられました。

負けはしましたが、今シーズンのADO・デン・ハーグでは一番と言って良いほどシュートチャンスをつくることができ、結果的にはこの試合をきっかけにチーム全体に自信が付いたように思えます。

【試合ハイライト】

園田選手の決定機演出シーン: [1:19~] / [3:10~]

MVP受賞

数多くの決定機をつくり誰よりも広範囲にわたり走り続けた園田選手は、見事にホームデビュー戦でサポーターの心を掴み、MVPに選出されました。
ADO・デン・ハーグの公式ニュースでもこの試合の園田選手の活躍は大々的に取り上げられており、僅かな記事の中でも「Sonoda」の名前が8回も出てきます。

ホームの試合後はスタジアムのラウンジで選手とサポーターの交流があります。ホームデビュー戦にも関わらず多くのサポーターが園田選手にサインを求めている光景が印象的でした。

ビッグフラッグ作成

アヤックス戦での大活躍もあり、加入してすぐにサポーターの心を掴んだ園田選手の誕生日には、サポーターから巨大フラッグが送られました。このフラッグはADO デン・ハーグのスタジアムのゴール裏に掲出されています。

日本ではあまり見ることのない自画像に恥ずかしさもありますが、女子選手としてこのような巨大フラッグを作成してもらえることはごく稀で、サポーターからの期待と愛情を感じました。

日本人対決①(ADO デン・ハーグ vs フェイエノールト)

アヤックス戦の後、アウェーで行われたヘーレンフェーンとの試合は1-4で負けましたが、その後のユトレヒト戦で今シーズン初勝利を収めました。13試合目にしてようやくの勝利となりました。

そして次の試合は日本人3名を擁しこの時点でチャンピオンズリーグ(1位、2位)とヨーロッパカップ(3位)の出場権争いをしている、好調フェイエノールトとの一戦でした。

ADO・デン・ハーグとしては初勝利をあげて良いイメージで迎える試合、フェイエノールトとしては翌シーズンのチャンピオンズリーグ圏内(2位以内)を確保する上で最下位相手に絶対に負けられない試合となりました。

開始早々の10分、フェイエノールトの板村真央がドリブルで切り込み、こぼれたボールを押し込まれて失点しますが、直後の13分にADO・デン・ハーグもサイドからのクロスを決め切りすぐさま同点に追いつきます。

その後は終始フェイエノールトがボールを所持して猛攻を仕掛けますが、2本連続でポストに救われるシーンもありギリギリのところで体を張ったプレーを見せます。前節の勝利で自信と残留への希望が持てたのか、勝ちにこだわる姿勢が随所で見られました。

試合前に体調不良に陥った園田選手は後半途中からの出場。攻め続けられる試合の流れを変えようと前線で起点となりディフェンスに休ませる時間をつくりますが得点までは至らず。しかしチーム一丸となり守り切り、強豪相手に勝ち点1を奪いました。

結果、フェイエノールトは2位に浮上しましたが、痛い勝ち点の取りこぼしとなり、一方のADO デン・ハーグはついに最下位を抜け出しました。

 

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【試合ハイライト】

園田選手の巨大フラッグ:[1:22~]

最後に

ホームのアヤックス戦も現地観戦をしましたが、小学生のエスコートキッズよりも小さい日本人選手が超強豪クラブであるアヤックスを相手に何度とチャンスメイクをする姿に感動しました。スタジアムにMVPの名前がアナウンスされた時はエージェントとしてとても誇りに感じる瞬間でした。

残留に向けては勝ち点を取りたいところでしたが、シーズン前半を終えて勝ち点2というチーム状況を考えると十分すぎる出来でした。アヤックス相手にも複数回の決定機を創出できたことは間違いなくチームの自信となり、それ以降の試合に大きな影響を与えたことは間違いありません。あとは1点でも入れば一気に軌道に乗れるんじゃないか。そんな大きな期待が持てた試合でした。

次回はエールディヴィジ初ゴールと奇跡の残留の瞬間を紹介します。


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