8万7千人のサポーターが詰めかけたUefa Women’s Euro 2022(Uefaユーロ女子2022)決勝で宿敵ドイツを破り、見事初優勝を果たした女子イングランド代表。イングランド国内では異常なほどに女子サッカーへの関心が寄せられています。
そんな最高の雰囲気の中で始まる、2022-23シーズンのイングランド女子サッカーリーグは、2部~4部は8月21日(日)、1部は9月10日(土)に開幕します。
※エリザベス女王の死去により1部リーグの開幕は1週間延期されました。
2022-23シーズンは1部リーグと2部リーグがリブランディングされ、リーグ名が変更されます。
1部『FA Women’s Super League(FAWSL)』⇒『Barclays Women’s Super League(BWSL)』
2部『FA Women’s Championship(FAWC)』⇒『Barclays Women’s Championship(BWC)』
1部リーグは昨年からBarclaysの名前が付いていましたが、2022-23シーズンからは2部リーグにもBarclaysのスポンサー名が付き、同時にリーグ名から「FA」の文字が消えます。
今回も新シーズンに先立ち、昨シーズンの総括と新シーズンのリーグ編制をまとめました。
イングランド女子リーグ 2021-2022 シーズン 結果
最終順位(FA WSL:1部)
2021-22シーズンは、チェルシーとアーセナルの2チームが最終節まで優勝争いを繰り広げましたが、チェルシーが勝ち点1差で3 連覇を果たしました。昨年に続きマンチェスター・ユナイテッドがシーズン中盤までマンチェスター・シティを大きく離してCL出場圏内の3位を維持していましたが、シーズン終盤の急失速、そしてマンチェスター・シティの猛追により、今年も常連3チームがCL出場権を獲得しました。
※2021-22シーズンから女子チャンピオンズリーグのフォーマットが変更され、イングランドからは最大で3クラブが本戦に出場できるようになりました
Locked in 🔒
The final 2021-22 #BarclaysFAWSL league table 📊 pic.twitter.com/79pgbdHyZ6
— Barclays Women's Super League (@BarclaysWSL) May 8, 2022
1位[56]:チェルシー(女子チャンピオンズリーグ本戦出場)
2位[55]:アーセナル(女子チャンピオンズリーグ予選2回戦出場)
3位[47]:マンチェスター・シティ(女子チャンピオンズリーグ予選1回戦出場)
4位[42]:マンチェスター・ユナイテッド
≀
最下位のバーミンガム・シティが2部のBarclays Women’s Championship (BWC) に降格します。
最終順位(FA WC:2部)
2部のWomen’s Championshipでは昨年のリベンジを果たしたリヴァプールが圧倒的な強さを見せつけて1部復帰を決めました。
The final 2021-22 #FAWC league table! 👀 pic.twitter.com/zVjXxFqJl6
— Barclays Women’s Championship (@BarclaysWC) May 1, 2022
今年も様々なドラマがありましたが、ここに紹介したいドラマが一つあります。
最終節、残留か降格かを掛けた大一番、ワトフォードvsコヴェントリー・ユナイテッドの直接対決です。試合前の勝ち点はワトフォードが[11]、コヴェントリー・ユナイテッドが[9]で、コヴェントリー・ユナイテッドが最下位でした。
試合はワトフォードのホームで行われ、拮抗した展開の試合は0-0のまま進んでいきます。そして後半のアディショナルタイムの97分についにドラマが起きます。
SCENES!! WHAT A STRIKE!
A 97th minute winner from @mollie_green97 keeps @CovUnitedLFC in the #FAWC! pic.twitter.com/tY004jIWtB
— Barclays Women’s Championship (@BarclaysWC) May 1, 2022
距離があるフリーキックでしたが、これをモリ―・グリーン選手が弾丸FKで沈め、見事に最終節で逆転残留を決めました。何度見ても鳥肌が立ちます。
イングランド女子リーグ 2022-2023 シーズン
BWSL(イングランド女子1部)
今シーズンも12クラブの編制となります。
リヴァプールが2部を優勝し、今年から1部に参戦します。
Arsenal Women Football Club(アーセナル)
Aston Villa Women Football Club(アストン・ヴィラ)
Brighton & Hove Albion Women Football Club(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン)
Chelsea Football Club Women(チェルシー)
Everton Women Football Club(エヴァートン)
Leicester City Women Football Club(レスター・シティ)
Liverpool F.C. Women(リヴァプール)New 2部から昇格
Manchester City Women’s Football Club(マンチェスター・シティ)
Manchester United Women Football Club(マンチェスター・ユナイテッド)
Reading Football Club Women(レディング)
Tottenham Hotspur F.C. Women(トッテナム・ホットスパー)
West Ham United Women Football Club(ウェストハム・ユナイテッド)
日本人情報
アーセナル:岩渕真奈(シーズン後半からレンタルでトッテナムへ)
マンチェスター・シティ:長谷川唯(ウェストハム・ユナイテッドから移籍)
ウェストハム・ユナイテッド:清水梨紗(日本から移籍)
ウェストハム・ユナイテッド:林穂之香(スウェーデンから移籍)
リヴァプール:長野風花(シーズン後半からアメリカから移籍)
FA WC(イングランド女子2部)
今シーズンも12チーム編成となります。
1部のBWSLにリヴァプールが昇格し、バーミンガム・シティが降格してきました。
3部の南部リーグチャンピオンのサウサンプトンが、北部リーグチャンピオンのウルブズに昇格プレーオフで1-0で勝ち、2部リーグの昇格を決めました。
3部リーグへは最下位のワトフォードが降格します。
Birmingham City Women F.C.(バーミンガム・シティ)New 1部から降格
Blackburn Rovers Ladies Football Club(ブラックバーン・ローヴァーズ)
Bristol City Women’s Football Club(ブリストル・シティ)
Charlton Athletic Women’s Football Club(チャールトン・アスレティック)
Coventry United Ladies Football Club(コヴェントリー・ユナイテッド)
Crystal Palace F.C.(Women)(クリスタル・パレス)
Durham Women Football Club(ダーラム)
Lewes Football Club Women(ルイス)
London City Lionesses Football Club (ロンドン・シティ・ライオネセス)
Sheffield United Women Football Club(シェフィールド)
Southampton F.C. Women(サウサンプトン)New 3部から昇格
Sunderland AFC Ladies(サンダーランド)
FA Women’s National League(イングランド女子3・4部)
今シーズンから4部リーグまでの試合日程と結果が、1部リーグと同じHPで閲覧できるようになりました。
昨シーズンはこれまでなかった2部と3部の昇降格がありました。来シーズンも3部リーグから2部リーグへの昇格があると予想されますので下部リーグでも白熱した試合が見られそうです。
NEWS: The #FAWNL constitution for Season 21/22 has just been confirmed! Welcome to the #FAWNLfamily @LondonBees @AFCBwomen @AlnwickTownLFC @FCUnitedWomen @HarlowLadies @leektownladies @Posh_WG @PTFCLadies @QPRWFC #WeAreNational #HeartbeatOfWomensFootball pic.twitter.com/cb9cCMKDjZ
— FA Women's National League (@FAWNL) June 13, 2021
3部はプレミアディビジョン(Premier Division)。南北のクラブで分けた2リーグ制です。
4部はディビジョンワン(Division One)。4つの地域に分けた4リーグ制です。
FA Women’s National League Premier Division(イングランド女子3部)
【3部:FA Women’s National League Northern Premier Division 12チーム】
【3部:FA Women’s National League Southern Premier Division 12チーム】
2部と3部の昇降格、3部と4部の昇降もあり、今年から12チームずつの編制となりました。
FA Women’s National League Division One(イングランド女子4部)
【4部:FA Women’s National League Division One North 12チーム】
プレミアリーグに所属するニューカッスルやリーズの女子チームは今年も4部に所属しています。
【4部:FA Women’s National League Division One Midlands 12チーム】
Midlandsは中央部の意味でプレミアリーグのウルブズ女子チームが所属していましたが、昨年から3部リーグに所属しているため、プレミアリーグの女子チームはありません。
【4部:FA Women’s National League Division One South East 13チーム】
ロンドン近郊から東のクラブがSouth Eastに所属しています。
日本人選手が在籍するアクトニアンズはこのリーグです。
【4部:FA Women’s National League Division One South West 11チーム】
イングランド南西部やボーンマスなど海沿いの地域がこのリーグに所属しています。
日本人選手
4部のアクトニアンズには昨シーズンは平國選手が在籍し、今シーズンはオランダ女子サッカー2部リーグにステップアップしています。
今シーズンはファーストチームには菅能選手、海老根選手が在籍し、セカンドチームには大学生の村山選手が在籍しています。
3部昇格と女子FAカップでのプロクラブへのジャイアントキリング、そしてさらなるステップアップを期待しています。
最後に
ユーロ女子2022優勝の効果もあり、1部リーグに所属するブライトン&ホーヴ・アルビオンでは、シーズンチケットの売上がすでに昨年の249%となっています。
Thanks to your amazing support, we've already sold a RECORD number of season tickets – 249% more than at this stage last year! 🤯 #BHAFC
— Brighton & Hove Albion Women (@BHAFCWomen) August 2, 2022
1部復帰を果たしたリヴァプールは注目のマージーサイドダービーとなるエヴァ―トン戦をアンフィールド開催に、アーセナルはノースロンドンダービーとなるトッテナム・ホットスパー戦をエミレーツ開催にするなど、すでに各クラブが施行を凝らした戦略をうってきています。
2部リーグのクラブでさえもプレシーズンマッチで1,000人を超える観客を動員しています。
個人的に一番注目しているのは、コロナのシーズンを除いて4年連続4万人の観客を動員している女子FAカップ決勝です。今シーズンこそ大台の5万人を実現できるのか。
もしかすると7~8万人に膨れ上がるのではないかとも思っています。
さらにはイングランド国内だけでなく、女子チャンピオンズリーグでの活躍にも期待が持てます。
今シーズンもイングランド女子サッカーは見所盛りだくさんになりそうです。
イングランド女子サッカーリーグはアプリ『The FA Player』で視聴できます。
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