オランダ女子サッカーリーグ2部(Vrouwen Topklasse)でプレーする平國瑞希(Mizuki Hirakuni)選手のオランダ渡航後からフェイエノールト女子との試合、そして開幕戦デビューまでをお伝えします。
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TER LEEDE(テル・レーデ)
所属するTer Leede(テル・レーデ)はオランダ女子サッカーリーグ2部のクラブです。
Ter Leede(テル・レーデ)は女子ユーロ2017ではオランダ代表を、続く女子ユーロ2022ではイングランド代表を、共に全勝優勝に導き2022年のUEFA最優秀監督となったサリーナ・ウィーグマン(Sarina Wiegman)が選手としても指導者としてもそのキャリアをスタートさせた歴史と実績のあるクラブです。
チームビルディング
5月のトライアル後、一時帰国してオランダに戻ったのは8月5日。
メンバーとのコミュニケーションを深めるためにどうしてもチームビルディングには参加したいと、平國選手の希望でオランダに到着した日にそのままチームに合流しました。
こちらのチームビルディングはとにかく楽しむこと。自然とメンバー全員が仲良くなれるようにオーガナイズされ、新メンバーと既存メンバーが共同作業をしながら親交を深めていきます。一緒に食事をしたりサッカー以外のアクティビティーやワークショップを通してコミュニケーションを取ります。自分から話しかけられなくてもいつのまにか仲良くなってしまうのがこのチームビルディングの凄さです。
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オランダ女子1部 フェイエノールト女子と対戦
チーム合流後、プレシーズンの最初の目標が2週間後のフェイエノールトとの試合に出ることでした。エールディビジ女子との試合なので、スカウトやサッカー関係者が多く視察に来ます。この機会は絶対にものにしたく、2週間という短い期間の中でできる限りのことを考えて提案していきました。
平國選手本人も「チームメンバーの名前と顔を一致させるために名簿が欲しい」と自発的に考えて監督に聞くなど、短期間で信頼を得るための努力を続けました。その結果、大事な紅白戦でゴールを決め、見事フェイエノールト戦のメンバー入りを勝ち取りました。
vs フェイエノールト女子チーム
フェイエノールト女子チームは女子エールディヴィジ(女子1部リーグ)に所属し、オランダ代表GKを要する強豪クラブです。
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オランダ女子1部リーグはプロクラブの集まりなので、その環境と選手のレベルは別格です。代表選手も多数在籍します。そんな中でも平國選手はボランチでフル出場。
前半はアウェーのテル・レーデが少ないチャンスをものにし、2-1で折り返します。
しかし、後半は主導権を握られ終わってみれば2-6の敗戦となりました。「スピードが異次元だった」と本人が言っていましたが、相手選手は身体的なスピードだけでなく予測力と意思決定の速さがあるため、ピッチの上では相当なプレッシャーを感じたことと思います。さらに個のフィジカルと判断スピードに加え、チームとしての決まりごともフェイエノールトは徹底されていたように感じました。
今回は負けてしまいましたが、まだまだプレシーズン中の一戦。この先、カップ戦で勝ち進めばプロクラブとの対戦もあります。公式戦で対戦するプロクラブはさらに厳しい戦いになると思いますが、必ずリベンジして欲しいと思います。
試合の総括や動画などはフェイエノールトの公式HPや各SNSでも紹介されています。
下の動画の黄色のユニフォームの32番が平國選手です。
Zeg eens eerlijk, Romée van de Lavoir…
Was dit een bewuste wereldgoal of een 𝐩𝐫𝐚𝐜𝐡𝐭𝐢𝐠𝐞 𝐦𝐢𝐬𝐥𝐮𝐤𝐭𝐞 𝐯𝐨𝐨𝐫𝐳𝐞𝐭? 👀#FeyenoordV1 • #SeasonLoading 🔋 pic.twitter.com/S97Ete7Thv
— Feyenoord V1 (@FeyenoordV1) August 23, 2022
開幕戦(公式戦)デビュー
その後もアヤックスのセカンドチームや女子エールディヴィジのVV Alkmaarなど贅沢な相手との試合を重ね、9月の開幕戦(公式戦)が近付いてきました。
オランダのシーズンの開幕ですが、カップ戦を3試合戦ってからリーグ戦に入っていきます。カップ戦のグループリーグは、2部リーグ以下のクラブが混ざって戦います。
vs スパルタ・ロッテルダム女子チーム
開幕戦のデビュー戦はスパルタ・ロッテルダム女子チームでした。
スパルタ・ロッテルダムは男子チームに斉藤光毅が加入し話題になりました。女子チームは現在3部リーグに所属していますが、近いうちに2部に昇格してくるはずです。4部から3部に昇格した時のこの光景を見れば、そんな気がしてきます。
ᴡʜᴀᴛ ᴀɴ ɪɴᴄʀᴇᴅɪʙʟᴇ ғᴇᴇʟɪɴɢ. 🤩
JAAAAAA. 𝕎𝔼. 𝔻𝕀𝔻. 𝕀𝕋. 𝔸𝔾𝔸𝕀ℕ. 𝐆𝐈𝐑𝐋 𝐏𝐎𝐖𝐄𝐑. ★ SPARTA ROTTERDAM VROUWEN PROMOVEERT ALSNOG NAAR DE HOOFDKLASSE | @SpartaRotterdam @OpleidingSparta @vvnieuwsnl @RDStad pic.twitter.com/0ArskfOLmE— Sparta Vrouwenvoetbal (@SpartaVrouwen) June 15, 2020
欧州の傾向ですが、男子チームと連携している女子チームは早いスパンで確実に実力を付けてきます。
現段階では平國選手が所属するクラブは2部リーグなので3部リーグに所属するスパルタ・ロッテルダムの方が格下になります。
待望の公式戦デビューは背番号8でボランチとしてフル出場。開幕戦のアウェーゲームという少し難しいシチュエーションでしたが、しっかりと実力を発揮して2-0の勝利に貢献しました。
最後に
平國選手が日本を発つ時の最終キャリアはなでしこリーグ2部(降格の為)。つまりピラミッドでいうと3部リーグ相当でした。そこから海外挑戦をスタートし、フェイエノールトのようなプロクラブの中でもビッグクラブと対戦できた経験は、普通の努力では成し得なかったと思います。
特にオランダに来てからはサッカー選手として成功するために、これまでにはなかったプロのマインドを持って行動しています。
イングランドに留学していた頃から外国人とは積極的にコミュニケーションを取っていました。しかし英語力の向上は正直なところあまり良い方ではなく、そこは本人も自覚し反省していました。今回のオランダ留学では改めて英語学校にも通うと意気込み、こちらに助けを求めず、問い合わせから電話面談、コースの申込まで全て一人で行いました。
サッカーに関しても、とにかく目の前の1試合を大事にしています。その1試合で最高のパフォーマンスを発揮するためにやれることは何でもやる。コンディション調整や事前準備を怠らないように心がけています。
こちらで対戦相手の動画を探して紹介した時も、すでに彼女自身で見つけてチェック済みという徹底ぶりです。
環境が人を変えると言いますが、ここまで瞬時に成長する選手はなかなかいません。最終的には自分次第であり、本人の強い覚悟がひしひしと感じられます。
留学(移籍)で成功する選手はどの国でもそうですが、明らかにプロ意識を持っています。上のレベルでプレーしたい。プロになりたい。と口にする選手はたくさんいますが、なかなか行動が付いてこない、もしくは間違った方向に頑張っている、という選手が多く見受けられます。
彼女にも今プロ意識が芽生え、必ず欧州でプロになるという気持ちと行動がリンクしてきました。
このままシーズンを通してスタメンを確保し、ハイパフォーマンスを維持することができれば、プロになるという夢も近付いてくると思います。
来シーズンはエールディビジのクラブへの移籍という最高の結果を手に入れて欲しいです。
そのために弊社でも全力でサポートします。
夢に向かって突き進む平國選手の応援をよろしくお願いします。
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