The FA People’s Cupと聞いて、ピンとくる人はそこまではいないかと思います。それもそのはず、始まったのもつい最近の2015年でメインパートナーはイギリスの公共放送局『BBC』です。
BBCが掲げる「Get Inspired」のキャンぺーンの一つとして、この大会を全面的にバックアップしています。
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THE FA PEOPLE’S CUP
簡単に説明すると、アマチュアの全国トーナメントで、男子・女子・障がい者・シニア・ウォーキングサッカー・フットサルなどの15のカテゴリーに分けられています。(年により異なる)
決勝は、イングランドのナショナルトレーニングセンター『St. George’s Park』で行われ、各カテゴリーを優勝したチームには、その年のFA CUP決勝のチケットが送られます。さらに決勝の地、「ウェンブリースタジアム」のピッチで優勝カップ授与のセレモニーが行われます。
2019年大会の決勝を視察して来ましたので、その様子をまとめます。
会場
会場は屋外ピッチや室内ピッチが複数使われています。敷地がとても広いため、何時からどこの会場で試合が行われるかが分かるように、このような看板が会場にいくつか建てられております。
【看板】
【屋外ピッチ】(有名なベッカムピッチ)
【屋内 フットサルコート】
【屋内 3Gピッチ】
メイン会場はこの屋内3Gピッチで、そこには男子と女子のFAカップの優勝トロフィーの間に、FA People’s Cupの優勝トロフィーが飾られています。
レプリカではなく本物で、自由に写真は撮れますが、ちゃんと見張り役が2名ついています。
会場は「FA People’s Cup」や「Get Inspired」のサイン等でしっかりとデザインされています。
メイン会場への通路など至る所のデザインが大会仕様に張り替えられています↓
大会期間中はBBCでも多く取り上げられ、全試合とセレモニーの一部始終はBBCのWEBサイトに動画がアップされます。(現在はハイライトのみ視聴可)
Freestyle Footballerによるパフォーマンス
大会をより盛り上げるために、いくつかイベントがありますが、筆者が目の前で見たのはこちらのフリースタイルフットボーラーによるリフティングショー!こんなに近くで見れるのもラッキーです。彼とはロンドンまで帰りの電車が一緒で、何度かお話しました(笑)
生涯スポーツと障がい者スポーツの発展
【ウォーキングサッカー シニアの部】
初めてウォーキングサッカーを生で見ました。50~60歳前後のシニア層で大盛り上がりでした。時折、本気度が増して声を荒げるプレーヤーもいましたが、メンバーや家族がなだめたり、転んで笑ったりとサッカーを楽しんでるのが見ていて分かりました。
こうしたテレビ中継もあり、お客さんの中でプレーする事、ウェンブリーに行くモチベーションが、より健康維持・体型維持へのマインドを高めている気がします。生涯スポーツに対してとても良い取り組みだと感じました。
【5人制サッカー 障がい者の部】
「(Football) 5-a-Side」と言われる5人制のサッカー。一部特別ルールがあり、シュートはエリア外のみとなります。こちらはより勝利に厳しく、白熱した試合が多かったです。
日本ではようやく、「ブラインドサッカー」や「デフサッカー」という言葉を聞くようになりましたが、ここでは身体障がい者や精神障がい者の試合もありました。
サッカーを通して仲間とのコミュニケーションや相手へのリスペクトを学びながら「教育」や「心身」の発達を促しているのが分かりました。
また健常者と同じデザインされた舞台で観客、実況、テレビ中継の中でプレーすること、表彰されることも本人だけでなく家族にとっても大変貴重な経験になると思います。
イングランドの生涯サッカー、障がい者サッカーは、環境や投資の面で日本より遥か先をいっていました。元になる考え方が違うのでより大きな投資ができます。だからこそ、あのBBCが主となりサポートしているんだと思います。
セレモニー & 中継(ハイライト)
【BBCデビュー】
上の2枚に筆者が映っています。(青のジャケットに赤い靴です)
障がい者サッカーとセレモニーを観ているところがBBCで放送されていたようです(笑)
まだまだ歴史の浅いこの大会ですが、すでに一部ではかなりの盛り上がりを見せており、今後より多くの競技カテゴリーが増え、協賛金の増加によるテレビやネットでの広告や放送も増えていくのではないかと推測されます。
先ほども言いましたが、日本ではようやくブラインドサッカーやデフサッカー、ウォーキングサッカーという障がい者スポーツや生涯スポーツを聞くようになりましたが、その露出もまだまだほんの僅かなように感じます。
もっと大々的にアピールしていくべきだと感じています。
イギリスは男子のプレミアリーグの華やかさに注目されがちですが、日本のメディアもこのような取り組みに目を向け、吸収し、持ち帰り実践していくべきではないかと思います。
来年のこの大会が次はどのような変化を遂げているのか、注目していきたいと思います。
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