オランダ女子サッカー2部リーグで活躍する柳澤紗希選手の試合を観戦してきました。
柳澤選手は、アルビレックス新潟レディースを退団後、ラオスのヤング・エレファンツFCに加入してAFCチャンピオンズリーグ予選に出場。
その後、2024-25シーズンの後半戦からオランダ女子サッカー2部に所属すると、すぐにスタメンに定着し、中盤の選手としてチームに安定感をもたらしました。
[選手キャリア] 浦和レッズレディース・ユース⇒早稲田大学 女子サッカー部（ア式蹴球部女子部）⇒浦和レッズレディース/三菱重工浦和レッズレディース⇒アルビレックス新潟レディース⇒ヤング・エレファンツFC（ラオス）⇒テルレーデ（オランダ2部）
Contents
オランダ女子サッカー2部リーグ
テルレーデ（Ter Leede）
所属先クラブのテルレーデ（Ter Leede）は、オランダ代表監督とイングランド代表監督として女子ユーロ2017と2022の2連覇を成し遂げたサリーナ・ヴィーフマン監督がそのキャリアを築いた歴史あるクラブです。
テルレーデとは経営陣とも監督ともとても良い関係にあり、毎年日本人女子サッカー選手を迎え入れていただいています。
日本人の技術の高さと戦術理解度、それを実行するための練習や試合に対する取り組みを高く評価してくれています。
これまでの留学生の紹介記事は以下をご覧ください。
リーグ戦 Ter Leede vs DSS
観戦した試合は2025年5月3日のDSSとの一戦です。
マッチデー・プログラムに柳澤選手の名前と2年前から所属している清水選手の名前が載ってます。
試合前の様子
オランダはウォーミングアップの時から大音量で音楽をかけて会場を盛り上げてくれます。
クラブ関係者や選手の家族を含めた多くのサポーターが試合を観に来てくれます。
日本のスタジアムのように陸上トラックがないのでサポーターと選手の距離が近く、臨場感があります。
キックオフ
この試合もカメラマンの @Tina Linssenが撮影してくれました。
動きがあり躍動感のある写真を撮るのが好きで、サッカーの写真を撮るようになったそうで、特に女子サッカーは試合が途切れることが少なく、見ていて楽しいと仰っていました。
小柄な柳澤選手ですが、高身長のオランダ選手に負けない技術の高さ、試合展開を読む能力の高さで中盤に落ち着きをもたらしていました。
五分五分でぶつかり合ったら潰されてしまうところも、読みと素早い出足でボールを奪取したり、一瞬早く体を入れてファールを誘ったりと、相手との距離感や出足の速さに応じて切り替えられるのもWEリーグや名門クラブでやってこられた経験値の高さだと思います。
テルレーデが前半10分、32分と続けてゴールを奪い、理想の展開で試合が進んでいきました。
ゴールの起点となるプレーでチームメイトからも祝福される柳澤選手。
待望の家族の前でのゴール
この試合には日本からご家族が観戦に来られていました。
今シーズンでサッカー選手としての引退を決断していた柳澤選手としては是が非でもご家族の前でゴールを決めたいという気持ちがありました。
そしてついにその瞬間が訪れます。
64分、ゴール前の混戦の中、冷静にトラップして見事にゴールを決めました。
（動画撮影してるつもりができてなく、とっさに撮影したので画質が荒いのが残念過ぎます。。）
苦しい時間帯もありましたが、試合を決定的なものにする貴重な3点目でした。
この日のオランダは5月あたまとしては異例の25度を超えており、両チームともに体力的に厳しそうな選手が多くいましたが、ここぞというタイミングでBox to Boxで走りこめる認知力と体力は見事でした。
ゴール後も落ち着いたプレーで試合をコントロールし、81分にサポーターの拍手と監督に迎えられながら交代しました。
試合はこのままゴールを許すことなく3-0で勝利し、リーグ6連勝を飾りました。
カップ戦ベスト8進出
2024-25シーズン、低迷していたチームは柳澤選手の加入で息を吹き返し、最終的には3位フィニッシュ、カップ戦ではクラブ史上初のベスト8に進出する快挙の立役者になりました。
ベスト8の顔ぶれを見ると、アヤックスやトゥウェンテ、フェイエノールトなど女子エールデイヴィジ（オランダ女子サッカー1部リーグ）のクラブだらけです。
準々決勝では女子エールディヴィジのフォルトゥナ・シッタートに負けてしまいましたが、オランダ2部リーグからベスト8に進出したのはまさに快挙でした。
最後に
ご家族が観戦に来た試合でゴールを決めるのは簡単なことではありません。
しかもミッドフィルダーとして役割を全うした上でチャンスを逃さず決め切るのはさすがの一言です。
オランダという異国の地で、しかもその1試合しか見てもらえるチャンスがないという状況で結果を残す姿は本当にかっこよく、泣きそうなぐらいに感動しました。
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常にサッカーと向き合い、全力でプレーしてきた柳澤選手をサッカーの神様がみてくれたのかなと、そんな風にさえ思えました。
これまでにもたくさんの日本人女子選手が所属してきましたが、柳澤選手に対しては首脳陣も監督もみんな絶賛していて、もう1年いて欲しいと何度も言われました。
とにかくチームのために活躍してくれる日本人選手はウェルカムに受け入れていただけます。
セカンドチームもオランダ女子サッカー3部リーグに残留することができたので、トップチームでプレーする自信がないという選手でもまずはセカンドチームから慣れてトップチーム昇格することもできます。
海外でサッカーしたいという女子選手の挑戦をお待ちしております。
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